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温故知新

イタリアのキャリアカー ある日、棚の奥のダンボール箱 を整理していた。

セピア色の古い写真が大量に出てきた。
その中から貴重な資料を紹介してみたいと思う。

それは今から半世紀近く前、自動車先進地域
ヨーロッパのキャリアカー を研究するために
先輩たちがイタリアで撮影してきたものだ。
まだ、日本人が海外へ渡航することもままならない時代、
『覚悟の』視察旅行だったに違いない。

説明するまでもないことだが 『キャリアカー』 とは
クルマを運ぶクルマ = 車両運搬車 のこと。
言うなれば仕事グルマ、商用車なのだが...。
どうだろうこのたたずまい。さすがデザインの国 イタリア だ。


イタリアのキャリアカー トレーラー後方 から見ると...

2階フロアの横に走る柱が湾曲になっていて
さらに縦の柱も「く」の字に曲げている。

アーチトンネルのような構造にして2階フロアに
積んだ車の荷重をうまく逃がしている。
走行中の左右方向の動揺を抑えるのにも有効なはずだ。
ここまでのアーチを作る手間にはただ感心するしかない。

現在のキャリアカーでは一般規格鋼材を使用して製作している。
しかし補強の取り方、枠構造の荷重の逃がし方などは
現代に生きている。


イタリアのキャリアカー3
キャリアカー としての構造を見ると...

2階フロアを支えるために柱を立てて
その柱が倒れないように斜めの桟を設けている。

現在の一般的なキャリアカーは2階フロアが
油圧シリンダーとワイヤーロープで昇降するが
このトレーラーは柱とフロアが溶接されていて
昇降しない構造であることがわかる。

これでは2階の車を降ろすことができないのでは?
と思うのだが、トレーラー後端部の複雑な構造が
無意味なものとは思えない。
おそらくこれらが可動式のゲートを構成していると
思われるのだが残念ながら詳細な資料は残っていない。

これが後にテールゲート式セミトレーラのヒントになった...
と信じたい。










■ 載っているクルマにも注目! ■

FIAT600 キャブの上に積んである車は、
『FIAT600(セイチェント)』
ドアノブが前のほうに見えるので初期型だ。
1955年から生産がはじまった車だ。




FIAT1300 その後が、『FIAT1300(ミッレ・トゥレチェント)』









FIAT500 トレーラー側にのっている6台は
『FIAT500(チンクチェント)』

イタリアではこの車を保護するための法律まで
作られようとするほど愛されている。
この車もドアノブが前でヒンジが後にあるので 『nuova500』
イタリア車の資料としても貴重な写真だ。


FIAT500GIARDINIERA 後端は、『FIAT500GIARDINIERA(ジャルディニエラ)』
ジャルディニエラとはステーションワゴンの意味。
チンクチェントの後部座席は大人1人が横に向いて乗るのが
やっとだが、ジャルディニエラは流石に余裕があり、大人2人が
前に向いて乗れるだけの長さがある。
エンジンはチンクチェントと同じ500ccではあるが
搭載方法や形状がまったく違う専用設計品である。

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